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寺社建築と文化財の探訪<TIAS>

寺社建築の起源、歴史、文化財の紹介と文化財の問題点を探訪しています。 常時更新中です!
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カテゴリー  [ 5-5 文化財解説の透明性 ]

5-4 文化庁解説の透明性

5-3 文化庁解説文透明性 

 

 

5-4

文化庁の解説の透明性・・・・・文化財情報の公正性・透明性

 

 

1、建造物文化財の解説記事

 

 「 9-1 建造物文化財のリンク」に各都道府県の文化財紹介記事HPを一覧にまとめています。

                       (多少古くなっていますので、今後整備していきます) 

 

 文化庁が公開している文化財情報は、下記のものがあります。

1)国指定文化財データーベース

2)文化遺産オンライン

3)文化財の紹介、お知らせ、関連法令、施策等について  文化庁ホームページ「文化財」 

4)文化庁 報道発表  重要文化財(建造物)の指定   文化庁HP(毎年5,10月)

 

文化庁の文化財の解説内容より、地方自治体のHP解説の方が優れているものが多数あります。

 

   福岡県 山梨県 山口県 等々・・・ 素晴らしい解説のHPがあります。

 

残念ながら、「指定理由」を明解に記述しているHPはありません。

 

文化庁のHPの目的と地方自治体のHPでは、目的が異なるかもしれません。

文化庁は、国指定文化財の責任者です。指定理由を明解に説明する義務があります。

 



 

2、文化庁HPの文化財説明事項

 

 1)国指定文化財データーベース・・・・・文化財管理の元締め「文化庁」のHPです。

   表ー1に記載している項目があります。

   しかし、大半はすべて記載されていなく、近年のものが整備されてきている状況です。

 

    表ー1 国宝・重要文化財(建造物)の紹介記事、記載事項  現在の国指定等文化財DB

1

名称    (棟名)

2

ふりがな

3

員数

4

種別

5

時代

6

年代

7

西暦

8

解説文(詳細解説)

9

解説文(短)

 

 

10

構造及び形式等

11

創建及び沿革

12

棟礼、墨書、その他参考となるべき事項

13

指定番号

14

国宝・重文区分

 

 

15

重文指定年月日

16

国宝指定年月日

17

追加年月日

18

重文指定基準 

19

重文指定基準 

 

 

20

所在都道府県

21

所在地

 

 

22

保管施設の名称

23

所有者名

24

所有者種別

25

附指定添付ファイル

26

写真

27

地図情報

   

 

 

2)説明事項の提案

 

文化財指定の理由を重点に置き、建造物の詳細な説明は、都道府県HPとリンクすればよいわけで、

その観点から 表ー2 のごとき項目を提案します。

 

        表ー2 国宝・重要文化財(建造物)の紹介記事、記載事項  (提案)

1

名称(寺社等)ふりがな

棟名称(建造物)

員数(棟数)

特定の種別・分野

5

所在地の環境

所在地 都道府県名

7

所在地の住所

8

特定の地方名

9

創建及び沿革

10

時代(建立)

11

和西暦年(建立)

12

特定の建立時代

13

様式及び形式等

14

構造及び規模等

15

確証:棟礼文書等

16

指定番号

17

国宝・重文区分

18

重文指定年月日

19

追加指定年月日

20

国宝指定年月日

21

合致指定基準(複数)

22

指定理由の解説

23

類型文化財代表

24

世界遺産登録関連

25

概要説明

26

詳細解説(別紙)

27

附指定の解説

28

根本修理の履歴

29

保管施設の名称

30

所有者名

31

所有者種別

 

 

32

写真(別紙)

33

マップ情報(別紙)

34

近年修理履歴情報(文研協・奈文研リンク)

35

当該建造物に関連する文化財等(有形文化財の国宝、重文を除く)

寺社内の・地方指定建造物文化財・国指定史跡、名勝、石造美術品・登録有形(建造物)文化財等

   着色:新規追加事項

 

 

3)「円覚寺舎利殿】における解説文の記載事例比較

 

 

 

 

     国指定文化財データーベース    円覚寺舎利殿の記載

 

名称: 円覚寺舎利殿  えんがくじしゃりでん 

棟名:  記載なし      員数: 1棟 

種別: 近世以前/寺院    時代: 室町中期   年代: 室町中期   西暦: 1393-1466 

構造及び形式等:      桁行三間、梁間三間、一重もこし付、入母屋造、こけら葺 

創建及び沿革:  記載なし    棟礼、墨書、その他参考となるべき事項:  記載なし

指定番号: 00002        国宝・重文区分: 国宝 

重文指定年月日: 1899.04.05(明治32.04.05)   国宝指定年月日: 1951.06.09(昭和26.06.09) 

追加年月日:  記載なし   重文指定基準1:  記載なし   重文指定基準2:  記載なし

所在都道府県: 神奈川県    所在地: 神奈川県鎌倉市山ノ内 

保管施設の名称:  所有者名: 円覚寺   所有者種別:    管理団体・管理責任者名:   

地図表示     

解説文: 円覚寺は、弘安5年(1282)に北条時宗によって創建された寺で、舎利殿は室町時代中頃に建

    立された物と考えられている。禅宗とともに伝来した宋の建築様式・唐様を採用した仏堂として

    日本最古のものであり、かつ最も純粋な姿を示すものである。(誤記がある) 

関連情報     (情報の有無)   附指定 なし   添付ファイル なし 

 

 

 以下のごとく、記載されることを提案します。

 

        【提案】   円覚寺舎利殿の記載

 

1 名称(寺社等)    円覚寺  えんがくじ

2 棟名称(建造物)   舎利殿 しゃりでん

3 員数(棟数)     1棟

 特定の種別・分野   近世以前/寺院   禅宗様仏殿

5 所在地の環境  

     円覚寺:鎌倉特有の谷戸(やと)と呼ぶ丘陵地が侵食された谷合の高低差のある地形に建つ大伽藍

     舎利殿:境内の奥塔頭・正続院の中に建つ

 所在地 都道府県名  神奈川県 相模八郡の一つ鎌倉

7 所在地の住所     鎌倉市山ノ内409

8 特定の地方名     鎌倉 

9 創建及び沿革     円覚寺の創建 弘安5年(1282年)鎌倉幕府執権・北条時宗

10 時代(建立     室町時代(1336ー1573)太平寺の仏殿として建立 

             2006年「年輪年代判定法調査=伐採年1425年・・・室町中期と想定

11 和西暦年(移築   永禄7年 (1564年) 円覚寺火災後、太平寺から移転再建 

12 特定の建立時代    室町建築Ⅱ期1500~1600) 移築時を評価

13 様式及び形式等    禅宗様仏殿、一重もこし付、入母屋造、詰組、杮葺

14 構造及び規模等    桁行三間、梁間三間、8.14m×8.14m 高さ9.14m      

15 確証:棟礼文書等   「円覚寺汁物等雑記」1563年(永禄6年)11月23日一山の大火・・・と記載 

             北条氏康の円覚寺宛の書状「太平寺殿客殿正続院へ被引、則可有建立由、尤承届候」   

16 指定番号       00002

17 国宝・重文区分    国宝

18 重文指定年月日    1899.04.05(明治32.04.05)

19 追加指定年月日     無

20 国宝指定年月日    1951.06.09(昭和26.06.09)

21 合致指定基準(複数) (一) 意匠的に優秀なもの かつ、類型の典型となるもの

22 指定理由の解説    禅宗様仏殿の典型で、その意匠的な優秀さは屈指である。

23 類型文化財代表   善福院釈迦堂(海南市)功山寺仏殿(下関市)・永保寺観音堂(多治見市)

24 世界遺産登録関連   「鎌倉の世界遺産」不登録の理由、鎌倉時代の建造物が残存していない点にある。

25 概要説明       現在の舎利殿は、室町末期の永禄6年(1563)の円覚寺大火の後、鎌倉尼五山

             の太平寺仏殿を正続院の昭堂として移建したものである。

             禅宗様の特色をすべて具備した純粋な遺構で、禅宗様仏殿の典型である。

26 詳細解説

円覚寺開山塔頭の正続院にある。舎利殿は弘安8年(1285)ころ創建されたが、(1309年創建説もある)、現在の舎利殿

は、永禄6年(1563)の円覚寺大火の後、鎌倉尼五山の太平寺仏殿を正続院の昭堂として移建したものである。

ちなみに太平寺は鎌倉後期に鶴岡八幡宮東北方の谷戸に創建された禅宗尼寺で、南北朝に足利基氏の未亡人清渓尼が中興した

が、戦国時代に廃された。

舎利殿の年代は様式より室町前期と推定され、南宋の中央様式に基づく禅宗様の最も純粋な遺構である。外観は方三間の高い主

屋に低い裳階をつけ、?葺入母屋造の屋根をあげた形式で、五山仏殿よりひとまわり小さく、各柱間も縮小され、雄偉な五山仏殿

と対照的に華奢で繊細な意匠となっている。組物は中備を中央間二組その他一組とした詰組で、裳階を三斗、主屋を三手先と

し、主屋の軒を扇垂木とする。また、窓と入口の花頭形や、波形連子の弓欄間、頭貫や台輪の木鼻、竪張りの板壁なども禅宗様

の特色である。

内部は全部土間で、主屋中央後方寄りに高い来迎柱を立て、虹梁大瓶束架構で仏壇前に広い空間をとる。裳階は低く、海老虹梁

で主屋と結ばれるが、主屋は高く、中央方一間の鏡天井に迫り上るような構成になり、側回り組物から斜めに持送られた尾垂木

尻や、中央の鏡天井をうける詰組の二手先組物もよく禅宗様の特色を示す。

円覚寺舎利殿は旧太平寺仏殿としての高い由緒が明確であり、室町前期の正統的な中規模禅宗様仏殿の典型である。

                        【引用文献】『国宝大辞典(五)建造物』(講談社 一九八五年)

27 附指定の解説    無

28 根本修理の履歴   

   元禄16年(1703年)元禄大地震:全壊 杮葺から茅葺へ? 明治32年(1899年)特別保護建造物に指定 

   明治33年(1900年)解体修理              大正12年(1923年)関東大震災:全壊    

   大正14年(1925年)復旧工事起工            昭和04年(1929年)部材取替え修理、復元   

   昭和43年(1968年)大修理、杮葺に改修    

29 保管施設の名称

30 所有者名      円覚寺

31 所有者種別

32 写真(別紙)

33 マップ情報(別紙)

34 近年修理履歴情報(文研協・奈文研リンク)    平成21年(2009年)保存修理

 

 

 

 この程度は、記述されたいと思います。

 

 円覚寺舎利殿は、国宝の価値が幾分低下し、教科書にも記載されなくなったとの由、B級国宝でしょうか。

  

 

 

 

3、最近の国宝指定文化財の解説記事

 

「4-2-1 最近の文化庁の報道」で「国指定文化財データーベース」、「文化庁 報道発表」について

コメントしていますが、

 

2015年の「石清水八幡宮」の新国宝指定について考察します。

 

1)解説資料等

  ① 「文化庁 報道発表」  リンクを参照

    ・・・国内の同形式の本殿の中では現存最古で最大規模である。・・・

  古代に成立した荘厳な社殿形式を保持しつつ,近世的な装飾を兼備した完成度の高い近世神社建築として,極

  めて高い価値を有している。また,創建以来,公武をはじめ社会に広く浸透した八幡信仰の象徴となる社殿とし

  て,深い文化史的意義を有している。

 

② 「国指定文化財データーベース」・・・未だ、重要文化財、詳細解説文は記載されていません。

 

③ 八幡市

  今回の国宝指定は、古代に成立した荘厳な社殿形式を保持しつつ、近世的な装飾を兼備した完成度の高い神社

  建築として、高い価値を有していることが、評価されたものです。

  

  ④ 産経新聞報道

    ・・・一方、文化庁に提出された「石清水八幡宮本社調査報告書」をまとめた調査委員会の委員長を務めた

    永井規男・関西大名誉教授(建築史)も「大変喜ばしい」とコメント。「平安王朝が作り上げた神社建築の形式

    を今に伝え、近世初期の当時の最上級の工芸・技術が用いられている。それらの価値が認められた」とした。

  

  ⑤ 講演会資料  

   「石清水八幡宮の由緒と建築様式」2016年4月 石清水八幡宮研修センターにて

                             神道 尚基 (石清水八幡宮 権禰宜)

   ・・・

   4、平成の大修造事業

    平成5年より「平成の大修造事業」として境内摂末社を順次修復している中、平成16年10月に襲来した台風二

   十三号により本殿の檜皮屋根が剥がれ、急遽翌年から本殿の修理を行い平成24年に完成している。

    当宮では平成15年から重要文化財である本殿の国宝昇格、また、未指定建造物の重要文化財追加指定を目途とし

   て取り組みを開始し、先ず、平成15年から境内諸建物の調査を行い同19年に「諸建造物群調査報告書」を八幡市

   と協力して刊行、文化庁へ提出している。・・・

    有識者各位と京都府及び八幡市を加えた調査委員会を組織し、社殿建築の軸となる木部は年輪年代測定や炭素

   定で調べ、社殿を装飾する欄間彫刻や錺金具は墨書や作風から年代の測定が行われた。

   そして、平成26年、徳川家光公御造営380年を記念して「本社調査報告書」を刊行している。・・・

   平成26年、「本社調査報告書」を文化庁へ提出し、翌年、10月16日文部科学大臣が文化審議会へ答申する旨連

   絡が入る。そして、平成28年2月9日官報告示が出され正式に国宝指定を受けることとなった。・・・    

    当宮の本殿が国宝に指定された理由は大きく2つある。

 先ずは「八幡造本殿が国内の同形式本殿の中では現存最古で最大規模である」ということ、

 次に「本殿などを廻廊で囲み一体化するという古代に成立した荘厳な社殿形式を保持している」ということである。



 

 

 2)解説のコメント

 

① 国宝の指定

  「おかしい!」と言っているわけではありません!

   正倉院正倉 鑁阿寺本堂 旧富岡製糸場に比べれば、新指定は理解できます。

 

② 国宝の指定理由

   同形式本殿の中では現存最古で最大規模である。

   近世的な装飾を兼備した完成度の高い近世神社建築として,極めて高い価値がある。

 

    この2点は、そのとおりです。

    しかし、「重要文化財の時から何が付加されたのですか?」と、質問したいのです。

  

     

  理由ー1 昭和42年の修理から50年を経て、本殿の大修理を行い平成24年に完成しています。

       ・33億円も費やして修理しているのですから。参拝客を増やしたいのです。

        (50年経つと重要文化財に戻るのですか?)

 

  理由ー2 平成15年から境内諸建物の調査し、同19年に「諸建造物群調査報告書」を作成しました。

       ・有識者と京都府及び八幡市を加えた調査委員会を組織し、

       ・社殿建築の軸となる木部は年輪年代測定や炭素測定で調べ、

       ・社殿を装飾する欄間彫刻や錺金具は墨書や作風から年代の測定するなど、

        たくさん調査しました。

        (報告書の内容は確認していません。他の資料では新発見はなく確認だけようですが?)

 

これが、指定理由になりますか。これら以外に理由があるなら詳細解説で記載してください。



 

   

   

4、新指定と解説記事の問題点

 

1)国宝としての評価

 

  旧国宝から、現文化財保護法に移行した昭和26年当時の判断が間違っていたのです。

  旧国宝をすべて重文にし、その中から工法に指定する際欠落したのです。

  このように、文化財指定基準の適用、その理由が以下に曖昧なものであり、国宝、重文に合致しな

  い文化財だけでなく、県指定文化財の重文指定、重文から国宝指定をすべき文化財があることを証

  明している事例です。

 

 

2)詳細解説について

 

   「国指定文化財データーベース」が更新されていないことは、お話になりません。遅れても3か月!

  詳細解説には、建造物の解説に続いて、

 「同形式本殿の中では現存最古で最大規模であり、近世的な装飾を兼備した完成度の高い近世神社建

  築として、極めて深い文化史的意義を有している。」と記述されるのでしょう。

 

  しっかりと、

  「旧国宝からの変更時に国宝指定するには○○が不明解でありましたが、今回の調査でそれらが

   明解になり、国宝に指定とします。」と記述するか、「国宝クラスでしたが修理した・・・・」

 

             更新、追記された記事を楽しみにしています。





 

 

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