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寺社建築と文化財の探訪<TIAS>

寺社建築の起源、歴史、文化財の紹介と文化財の問題点を探訪しています。 常時更新中です!
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カテゴリー  [ 6-1 指定基準の基本的検討 ]

文化財指定理由の特定の解釈を探訪

6-1 指定理由の基本的検討



 

6-1

 指定基準の基本的検討 ・・・・「特定の○○」の明確化

 

 

 

 国宝・重要文化財指定基準

  昭和二十六年 文化財保護委員会告示第二号

   (国宝及び重要文化財指定基準並びに特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準)

 ・建造物の部

重要文化財、次の各号の一に該当し、

   (一) 意匠的に優秀なもの

   (二) 技術的に優秀なもの

   (三) 歴史的価値の高いもの

   (四) 学術的価値の高いもの

   (五) 流派的又は地方的特色において顕著なもの

   かつ、各時代又は類型の典型となるもの

国宝、重要文化財のうち極めて優秀で、かつ、文化史的意義の特に深いもの

 

 

 

国指定文化財の指定基準は、上記のように定められています。

総務省行政評価局の評価では抽象的と指摘されています。

 

● 5-1で記述した「評価指定の理由の類型」では、「特定の・・・」記述が数多くあります。

  特に、「特定の時代、特定の地方で、特定の分野で、特定の技術で・・・」という語句が多用さ

  れています。

 

  この「特定・・・」について探訪してみました。

 

 

 

  1、「特定の時代」の評価・・・日本史と建築史の時代区分

 

   基準記載の①「各時代の典型」と記されています。この各時代とは、何を示すのでしょうか?

   本来、日本史の一般的時代区分、呼称ではなく、建築史学独自の時代区分、呼称を採用すべきで

   あり、以下の検討を行いました。

 

 

 1)日本史の時代区分の画期と呼称

 

 日本史の時代区分は、大区分(五区分法)で原始・古代・中世・近世・近代・現代とされ、

 中区分は、一般的に先土器時代/縄文時代/弥生時代/古墳時代/飛鳥時代/奈良時代/平安時代/

 鎌倉時代/室町時代/安土桃山時代/江戸時代/明治時代/大正時代/昭和時代と呼称されています。

 

 しかし、

① 現在、時代区分は定まっていない!

  各時代区分の画期をいつなのかは論者によって大きく異なり、未だ定説化していないのが現状のよ

  うです。

② 時代区分の呼称はおかしい! (表ー1)

  飛鳥から江戸は中央集権の所在地、土器の文様、発掘場所、年号等であり一貫していません。

 

  教科書にも記載され常識的な名称(古墳時代、江戸時代・・)も、よく見ると矛盾しています。

 

 時代区分の各期の名称は、「原始・古代・中世・近世・近代・現代」を基本(大区分)に日本史全般

 に適用される中区分名称を再設定すべきです。

 

 「古墳時代vs大和時代」の論議を再燃、最近の年代判定方法を加味した画期の設定など、グローバル

 に通用する日本史の基本として、文科省、歴史学者の責務として改善すべきと考えます。

 

 又、遺跡発掘等で新事実による時代区分の更新は、随時行われるべきものではないでしょうか。

 

 

 

2)日本史の時代画期の長短  (表ー1)

 

 又、各時代の期間(画期)も400~700年もの期間がある時代と、安土桃山の30年という短期の時代

 もあるなどばらつきがあります。早期、中期、後期などの設定も50~160年とばらついています。

 均一な年数にしたほうが理解しやすいかもしれませんが、何か弊害があるのでしょう。

 

 縄文、弥生、古墳期は「考古学の世界」で土器編年で年代が決められ20,000年の期間があります。

 紀元後2,000年とすると十倍です。この尺度を明解に表す必要があると思います。



 

3)日本史時代区分の提案

 

 表ー1 に100年画期期間を原則とした、スケール感のある時代区分を提案します。

 

          表ー1  日本史時代区分の提案

 

一般的な日本史時代区分

提案の時代区分

 

 

呼称

区分

年代

期間

呼称

区分

年代

期間

 

 

旧石器(先土器)

   ~BC130

 

定住開始時代

BC250-BC130

12,000

 

原始

縄文

BC130BC4

12,600

村落創成時代

BC130-BC10

12,000

原始

縄文

草創期

BC130BC100

3000

原始Ⅰ

早期Ⅰ

BC130BC90

4000

早期

BC100BC50

5000

早期Ⅱ

BC90BC50

4000

前期

BC50BC35

1500

中期Ⅰ

BC50BC40

1000

中期

BC35BC25

1000

中期Ⅱ

BC40BC30

1000

後期

BC25BC13

1200

後期Ⅰ

BC30BC20

1000

晩期

BC13BC4

900

後期Ⅱ

BC20BC10

1000

弥生

BC4Ⅽ~BC3中

750

水稲農耕時代

BC10~AC3Ⅽ

1300

弥生

早期

BC4Ⅽ~BC3Ⅽ

100

原始Ⅱ

早期

BC10~BC6Ⅽ

400

前期

BC3Ⅽ~BC2Ⅽ

100

中期

BC6~BC2Ⅽ

400

中期

BC2Ⅽ~紀元ごろ

200

後期Ⅰ

BC2~AC1Ⅽ

300

後期

紀元~AC3Ⅽ中

350

後期Ⅱ

AC1~AC3Ⅽ

200

古代

古墳(大和)

3Ⅽ前ー6Ⅽ後

350

都市創成期

AC3~AC6Ⅽ

300

古代

 

出現期

AC 3Ⅽ中~

50

古代Ⅰ

早期

AC3~AC4Ⅽ

100

早期

AC 3Ⅽ後半~

150

中期

AC4~AC5Ⅽ

100

中期

AC 5Ⅽ前半~

100

後期

AC5~AC6Ⅽ

100

後期

AC 6Ⅽ前半~

50

 

 

 

終末期

AC 6Ⅽ後半~

50

国家成立期

AC6~AC8Ⅽ

200

飛鳥(大和)

592- 710

118

古代Ⅱ

大和

600~700

100

奈良

710- 784

74

平城

700~800

100

平安

784- 1185

401

王朝国家創成期

AC8~AC12Ⅽ

400

 

前期

794- 901

107

古代Ⅲ

平安Ⅰ

800~900

100

中期

901- 1068

167

平安Ⅱ

900~1000

100

後期

1068- 1185

117

平安Ⅲ

1000~1100

100

中世

鎌倉

1185- 1333

148

平安Ⅳ

1100~1200

100

 

前期

1185- 1221

36

武家国家創成期

AC13~AC14Ⅽ

200

中世

中期

1221- 1281

60

中世Ⅰ

源氏

1200~1300

100

後期

1281- 1333

52

南北朝

1300~1400

100

室町

 

1336- 1573

237

武家国家変貌期

AC15~AC16Ⅽ

200

室町

内乱期

1336~1367

31

中世Ⅱ

足利

1400~1500

100

安定期

1367~1467

100

戦国

1500~1600

100

戦国期

1467~1573

106

 

 

 

 

 

近世

江戸

1603~1868

265

武家国家安定期

1600~1967

267

近世

江戸

前期

1603~1699

96

近世

徳川

前期

1600~1700

100

中期

1699~1799

100

中期

1700~1800

100

後期

1799~1853

54

後期

1800~1850

50

末期

1853~1867

14

幕末

1850~1867

17

 

明治

 

 

王制国家復古期

1867~1945

 

近代

近代

 

大正

 

 

近代

前期

 

 

 

昭和

 

 

後期

 

 

 

 

平成

 

 

現代

 

1945~

 

 

 

 

日本史学の先生が今日までの長い研究歴史の中で培われた時代区分、呼称を変更する提案!

 

受容されるわけはありませんでしょうが、素人の提案、一度は見てください。

 

 

 

4)美術文化史、仏像史などの独自の時代区分が存在  (表ー2)

 

 文化時代区分もあります。美術史家の決められた飛鳥、白鳳、天平、弘仁、国風、院政、北山、東山

 元禄・・・です。文化的隆盛が起きた時期、期間で連続性は無く、一貫していません。

 

 文化史的な各分野の歴史学では、連続性はなくても良いのかもしれません。その文化の草創期から終

 盤期が明快ならその期間(画期)の呼称を定めればよいのでしょう。

 

          表ー2  仏像史、文化史の時代区分

 提案時代区分

文化庁DBの時代区分

仏像史の時代区分

美術文化の時代区分

古代Ⅰ

 

 

 

 

 

古墳文化

 

国家成立期

 

 

 

 

 

 

古代Ⅱ

大和

飛鳥時代

592-710

飛鳥時代

605-651

飛鳥文化

538-645

 

平城

奈良時代

710-794

白鳳時代

662-710

白鳳文化

645-710

 

 

 

 

天平時代

710-794

天平文化

710-794

王朝国家創成期

平安時代

794-1185

 

 

 

 

古代Ⅲ

平安Ⅰ

 前期

 

弘仁貞観時代代

794-969

弘仁貞観文化

810-877

 

平安Ⅱ

 中期

 

平安前期

 

平安前期

 

 

平安Ⅲ

 後期

 

藤原時代

969-1190

藤原文化

894-1185

 

平安Ⅳ

 

 

平安後期

 

平安後期

 

武家国家創成期

鎌倉時代

1185-1333

鎌倉時代

1190-1390

 

 

中世Ⅰ

源氏

 前期

 

 

 

鎌倉文化

 

 

南北朝

 後期

 

 

 

南北朝文化

 

武家国家変貌期

室町時代

1336-1573

 

 

室町文化

 

中世Ⅱ

足利

 前期

 

室町時代

以降仏像史存在せず

北山文化

 

 

 

 中期

 

 

東山文化

 

 

戦国

 後期

 

 

 

 

 

桃山

安土桃山

1573-1603

 

 

桃山文化

 

武家国家安定期

江戸時代 

1603-1868

 

 

 

 

近世

前期

 前期

 

 

 

寛永文化

1615-1672

 

中期

 中期

 

 

 

元禄文化

1688-1710

 

後期

 後期

 

 

 

化政文化

1804-1830

 

幕末

 末期

 

 

 

 

 

         国指定文化財等データーベースの「建造物」時代区分

 


 

 5)時代区分の考察上の問題点

 

① 建築史の時代範囲はAC7世紀から始まる!

  建築史での時代範囲は、飛鳥時代から現代までが主流であり、AC7世紀以前の建築史は明快ではあ

  りません。日本建築史の起源は、先土器時代であるとしているだけで子細な研究も少ないようです。

 

  遺跡発掘の調査記録による考察は「考古学者の範疇」で建築史家は関与しない状況なのでしょう。

  日本人が22,000年前から住宅に住み始めその用途を拡張していったのか、その過程の解明が建築史

  学の基本ではないでしょうか。

 

 

② AC7世紀以前の遺構は建築史の範疇ではないのか!

  遺跡発掘による建物の遺構は数多くありますが、その調査結果に基づく建築の体系的な研究は少な

  く、出土瓦の研究(考古学的)結果の体系的整理が進んでいる中、同様な建築様式架構の発展過程

  を調査研究されていないことに首をかしげます。

 

  地上の建築状況は発掘による確固たる証拠が少なく、状況を類推するだけであることは致し方がな

  いことですが、竪穴式住居、掘立柱、高床式と発展するプロセスを建築史学としての統一した見解

  を示すことは少なくとも実現すべきではないかと思います。

 

 

③ 遺構の建造物復元は建築史(家)のコンペで決まる!

  三内丸山、池上曽根、吉野ヶ里などの著名な国史跡の遺跡では、復原建造物が構築されています。

  その復元根拠は、確固たるものが少なく、建築設計家のコンペと同じ状況になり不様な形態を呈し

  ているものが多い状況です。まして行政の観光客集めに加担する状況まで散見されます。

 

  建築史家個人の意見、主張を総合的、客観的に一本化するのは、学会の役割ではないでしょうか。

 

 

④ AC7世紀以前の建築史を明解にする!

  建築史は、建造物文化財の調査研究により定まる面も重要ですが、根本的に日本建築の歴史の解明

  が基本と考えます。建築史にも、世界に誇る遺跡数と調査研究量の考古学の確証主義を取り入れる

  ことをベースに、人類学、生活、気候、植物・・・の各分野とのコラボ研究が類推の確度を上げる

  ことになります。各分野の研究の中にも課題があるはずで、それらを協調体制を確立して解決して

  いくことが、文科省、文化庁の役割なのでしょうが無理がありますかね。




 

 

6)建築史独自の時代区分呼称を設定

  

  日本史では「古墳」、これが建築史では良いのか、別称を呼称すべきかこのような論議が必要です。

  古代国家成立のこの時期に、掘立柱、棟持柱、家型埴輪、遺跡建物跡の発掘など建築史の調査研究

  がされている中、明快な呼称があるのではないかと思います。都市創成時代・・・

 

  その他各、時代に建築史固有の名称が付けられのが良いかもしれません。唐文化外来時代・・・

      ぜひ検討したいと思います。表ー3に叩き台の呼称を記載しておきます。

 

 

 

 

 7)建築史の時代区分の提案   時代区分(表ー3)の提案

 

           表ー3 建築史における時代区分の提案

時代

区分

年代

期間

時代区分

特徴

建築事例

旧石器(先土器)

BC250-BC130

12000

村落創成時代

竪穴最古

はさみ山遺跡  小保戸遺跡

(縄文時代)

BC130-BC10

12000

集落創成時代

 

田名向原遺跡  水迫遺跡

原始Ⅰ

早期Ⅰ

BC130BC90

4000

竪穴Ⅰ期

竪穴建物

大鹿窪遺跡   上野原遺跡

 縄文

早期Ⅱ

BC90BC50

4000

竪穴Ⅱ期

 

武蔵台遺跡   中野B遺跡

 

中期Ⅰ

BC50BC40

1000

掘立Ⅰ期

掘立柱

大清水上遺跡  綾織新田遺跡

 

中期Ⅱ

BC40BC30

1000

掘立Ⅱ期

 

阿久遺跡

 

後期Ⅰ

BC30BC20

1000

高床Ⅰ期

高床式

三内丸山遺跡 桜町遺跡 西田

 

後期Ⅱ

BC20BC10

1000

高床Ⅱ期

 

木曾大野遺跡 寺地遺跡 真脇

(弥生時代)

BC10~AC3Ⅽ

1300

集落都市時代

 

 

原始Ⅱ

早期

BC10~BC6Ⅽ

400

棟持Ⅰ期

棟持柱

矢瀬遺跡 稲吉角田遺跡

 弥生

中期

BC6~BC2Ⅽ

400

棟持Ⅱ期

大規模化

鹿屋市王子遺跡 吉野ヶ里遺跡

 

後期Ⅰ

BC2~AC1Ⅽ

300

大型建築Ⅰ期

 

伊勢遺跡 池上曽根遺跡 原の辻

 

後期Ⅱ

AC1~AC3Ⅽ

200

大型建築Ⅱ期

 

青谷上寺地遺跡 妻木晩田遺跡

(古墳時代)

AC3~AC6Ⅽ

300

都市国家時代

 

 

古代Ⅰ

早期

AC3~AC4Ⅽ

100

都市建築Ⅰ期

邪馬台国

纒向遺跡 万行遺跡

 古墳

中期

AC4~AC5Ⅽ

100

都市建築Ⅱ期

 

家屋文鏡

 

後期

AC5~AC6Ⅽ

100

都市建築Ⅲ期

仏教伝来

鹿部田渕遺跡 坂田寺(金剛寺)

(奈良時代)

AC6~AC8Ⅽ

200

領土国家時代

大和建築時代

古代Ⅱ

大和

600~700

100

飛鳥白鳳期

外来文化

飛鳥寺 法隆寺 山田寺 四天王寺

 

平城

700~800

100

奈良天平期

 

薬師寺 唐招提寺 東大寺

 

 

 

 

 

 

 

(平安時代)

AC8~AC12Ⅽ

400

王朝国家時代

平安建築時代

古代Ⅲ

平安Ⅰ

800~900

100

平安建築Ⅰ期

 

室生寺金堂 當麻寺西塔 醍醐寺

 

平安Ⅱ

900~1000

100

平安建築Ⅱ期

和様建築

醍醐寺五重塔 平等院鳳凰堂

 

平安Ⅲ

1000~1100

100

平安建築Ⅲ期

寝殿造

中尊寺金色堂  一乗寺三重塔 

 

平安Ⅳ

1100~1200

100

平安建築四期

 

石山寺本堂  宇治上神社本殿 

(鎌倉時代)

AC13~AC14Ⅽ

200

鎌倉建築時代

武家国家創成・鎌倉文化

中世Ⅰ

源氏

1200~1300

100

鎌倉建築Ⅰ期

唐天竺様

石山寺多宝塔 明通寺本堂

 

南北朝

1300~1400

100

鎌倉建築Ⅱ期

武家造

安楽寺八角三重塔 桜井神社拝殿

(室町時代)

AC15~AC16Ⅽ

200

室町建築時代

 

武家国家変貌・足利文化

中世Ⅱ

足利

1400~1500

100

室町建築Ⅰ期

城郭建築

永保寺観音堂 観心寺金堂

 

戦国

1500~1600

100

室町建築Ⅱ期

書院造

 厳島神社  根来寺多宝塔(大塔)

(江戸時代)

1600~1967

267

江戸建築時代

武家国家安定・徳川文化

近世

前期

1600~1700

100

江戸建築Ⅰ期

霊廟

東大寺大仏殿、善光寺本堂

 

中期

1700~1800

100

江戸建築Ⅱ期

数寄屋

清水寺本堂、東寺の五重塔

 

後期

1800~1850

50

江戸建築Ⅲ期

茶室

萬福寺、出雲大社本殿、春日神社本殿

 

幕末

1850~1867

(17)

(Ⅳ期)

御所

桂離宮、修学院離宮

(近代)

1867~1945

 

近代建築時代

西洋建築流入

近代

前期

 

 

近代建築Ⅰ期

 

 

 

後期

 

 

近代建築Ⅱ期

 

 

現代

戦後

1945~

 

 

 

 

 

  


 8)「特定の時代」の理由の改善・・・建築史学独自の時代年表の制定

   

   日本史の時代区分全体の見直しは、大変なパワーと時間が必要です。しかし、建築史の時代区分名称

   等を検討し設定することは、文化庁と建築史家が改善の必然性を理解されているなら、さほど困難な

   ことではないと思います。

   世界遺産の登録条件、文化遺産の多い外国の事例、現状の問題点の再確認などの調査研究を官民コラ

   ボで推進され、グローバルな評価にも耐えうる客観性の高い時代区分、名称、管理システムを確立さ

   れたいと願っています。

 


 

 

2、「特定の地方」の評価・・・日本建築史地図の設定

 

 「時代」と「地方」は、相関があり、時代区分とリンクします。

 「評価指定の理由の類型」で特定の地方をやはり多用されて記述されています。

 

  特定の地方とは、東日本、西日本、関東、中部、関西、中国、北海道、東北、四国、九州、都道府県

などがありますが、紀元前、ヤマト政権、武家政権・・・ごとにその時代の勢力地図は変化しています。

 

建築史 年代地図160822  

                                          

                                            参考図

 

 

1)「特定の時代」で「特定の地方」のリンク

   

   飛鳥時代と江戸時代では、特定の地方のエリア設定、呼称は異なります。

   国府所在地が機能していた時期は何時から何時までなのか等、日本史、地理学の素人には判じかねま

   すが、中部地方>東海地方>静岡県>遠江>駿河・・・大分類、中分類、細分類等に地域を明快に分

   類し、「特定の時代ごとに特定の地方」を設定、公開すべきと思います。

 

   そうすると「特定の地方で唯一」という評価に対し、誰もが納得することになります。

 

 

 2)「特定の地方」の設定

   

   その時代の政治的行政的拠点の分布だけでなく、飛鳥様式、唐様、天竺様、神明造等の建築様式、蟇

   股等の個別部材様式の分布等を地域別にまとめ、図示しておくことも評価の説得性が高まります。

 

   瓦の生産地、木材伐採地、金属加工地、塗料顔料生産地など、建築関連資材の時代別分布も重要な評

   価事項であり、図示し明示しておくべきと思います。

 

 

            表ー4 最近公表されている理由の「特定」語句のばらつき 

 

特定の地方 住宅

特定の地方 寺社

特定の時代

 

栃木地方

出羽三山

江戸後期

大型民家

 

庄内地方

羽黒山

明治大正期

庭園休憩施設

 

庄内地方

九州南部

明治後期

邸宅

 

木曾地方

中国地方

明治後期

実業家の邸宅

 

大阪道修町

九州

近世初期

本格的な客殿

 

北海道

四国中・南部

江戸時代後期

数寄屋風書院

 

関東地方

人吉・球磨地方

明治中期

大規模和風住宅

 

倉敷

 

明治・大正期

御用邸

 

沖縄

 

江戸時代

浄土宗関東十八檀林

 

北陸地方

 

江戸時代末期

複合社殿建築

 

 

 

近世末期

羽黒山三神合祭殿

 

 

 

中世

本格的禅宗様仏殿

表現方法

・各事例で、上記のごとく統一、一貫性のないバラバラな表示を改善すべきです。

指定理由

になる

 広域:この地域に類例がない。少ない

 狭域:この地域にしかない

 広域:この時期に類例がない、少ない

 狭域:この時期にしかない

ならない

 所在地を記載するだけ

 建立時期を記載するだけ

 

 

 

 

 

 

 3)特定の地方の時代ごとの地図

 

① 特定の地方を各時代、建築種別、建築様式ごとに整理し地図上にプロットすることにより、希少、

  唯一であることが明快になります。文化庁DBの地図情報を駆使すれば簡単に作成されるはずです。

    まず、調査委員には、建築史時代年表とともに活用を周知徹底したいものです。

 

② 指定理由は、建造物概要説明とは別に明記すべきで「特定の○○」が理由の場合は別記すべきです。

    所在地、建立時期が指定理由になる場合は、その地方、時代区分を建築史学で定めた範囲により記

    載すべきで、調査委員が独自の語句を並べて記述するのは望ましくありません。

 

    上記のごとく語句がバラつくのは、いかに建築史の標準化が進んでおらず、それら規範が設定され

    ず、徹底していない証です。 

 

 

 

3、「特定の分野」の評価・・・・・分野の種類の整理を明示

 

 「特定の分野」とは、何を示すのか? 下表のごとく検討してみたが、的確に整理できていない。

 解説には、明確な分野内容を記述すればよいが、類例がある場合は、その分野ごとに一覧整理されている

 地図、リストに明示されていることが望まれます。

 

              表ー5 類例理由の「特定の分野」の検討

 

特定の分野

分野 項目

 

建築種類

住居 寺院 神社 城郭 茶室 土木遺構 官舎 ・・・・・

寺院

伽藍形式

飛鳥寺式 四天王寺式 法隆寺式 薬師寺式 東大寺式 禅宗式

寺院様式

和様 唐様 大仏様 折衷様 黄檗様 ・・・

七堂伽藍

「塔」「金堂」「講堂」「経蔵」「鐘楼」「僧坊」「食堂」

寺院堂形式

六角堂 八角堂 金堂  戒壇堂 講堂 経堂  法堂 鐘楼 

鼓楼 回廊 庫裏 ・・・

塔婆形式

三重塔 五重塔 多宝塔 寶塔 小搭 大塔 宝久塔 未完成

神社

神社本殿形式

大社造 大鳥造 住吉造 神明造 唯一神明造 春日造 流れ造 

八幡造 日吉造 権現造 祇園造 吉備津造 香椎造 中山造・・・

神社堂形式

本殿 拝殿 勅使殿 祭文殿 祝詞殿 神楽殿 手水舎 幣殿 神門

鳥居 末社 摂社 割拝殿 能舞台・・・

形式

架構・構造形式

懸造 校倉造 撞木造・・・  木造、レンガ、鉄骨、RC

屋根形式

切妻造 寄棟造 宝形造 入母屋造 唐破風屋根・流れ屋根

両流れ屋根・招屋根 錣屋根

門形式

八脚門 四脚門 唐門 山門(三門)二天門(随身門) 

冠木門 棟門 薬医門 楼門 二重門 鐘楼門 竜宮門・・・

屋根葺

本瓦葺 桟瓦葺 銅板葺 桧皮葺 栩葺 板葺 草葺 藁葺・・・

その他

住宅系形式

戸建 長屋 寝殿造 書院造 数寄屋 武家屋敷 茶室・・・

土木 形式

石橋 隧道 港湾 閘門 疎水 ・・・

城郭・・・・・

平城 山城 天守 櫓 ・・・

鳥居・・・・・

形式多数  その他各部位、部材での形式、様式の時代考証資料

 

 

指定の理由で時代、地方と同様で、「唯一、貴重、少ない・・・」という理由でを分野でから選定するには

その分野というものを設定するべきです。しかし、遺構、実例の多少とともに、近代建築と江戸時代以前の

対象分野が相違するなど、十分な検討が必要なようです。

 

              (今後追記していきます。)

 

 

         次ページに、指定基準についてより具体的に検討します。

 

 

 






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